将棋の反則

将棋の反則は、ルールで禁じられていて、指した時点で負けになる手のことです。よく出るのは二歩や打ち歩詰めなどの4つです。それぞれ図を見ながら形で覚えましょう。

二歩(にふ)

自分の歩(成っていない歩)がすでにある縦の列(筋)に、もう1枚歩を打つ反則です。うっかり指してしまいやすい反則の代表で、プロの公式戦でも起きたことがあります。

76543三四五六七八歩

▲先手の持ち駒:歩

5筋にはもう歩があるので、5四に歩は打てない
76543三四五六七八と

▲先手の持ち駒:歩

と金は歩として数えないので、5五に歩を打てる

数えるのは自分の歩だけです。と金(成った歩)や、相手の歩が同じ筋にあっても二歩にはなりません。

打ち歩詰め(うちふづめ)

持ち駒の歩を打って、相手の玉を詰ませる反則です。歩を打つ王手そのものは反則ではなく、それで「詰んでしまう」ときだけが反則になります。

盤の上の歩を1マス進めて詰ませるのは「突き歩詰め」といい、こちらは反則ではありません。打つか、動かすかの違いです。

4321一二三四王桂銀銀

▲先手の持ち駒:歩

1二に歩を打つと、2三の銀が歩を守っていて王は逃げられず、詰んでしまう。だから反則(打ち歩詰め)
4321一二三四王歩桂銀銀
盤の歩を1二へ進めて詰ませるのは反則ではない(突き歩詰め)

歩を打って王手をかけても、相手に防ぐ手があれば反則ではありません。たとえば何にも守られていない歩なら、玉はその歩を取れます。詰みにならないので、ふつうに指せる手です。

4321一二三四王

▲先手の持ち駒:歩

守りのない歩を1二に打つ王手は、王が歩を取れるので詰みではない。反則にならない

行き所のない駒

この先一歩も動けなくなる場所に駒を置く反則です。歩と香車は一段目、桂馬は一段目と二段目が該当します。打つときも、成らずに動かすときも同じです(動かすときは成れば問題ありません。成り)。

54321一二三四

▲先手の持ち駒:桂

桂馬は一段目と二段目には打てない(歩と香車は一段目だけ)

王手放置と、自分から取られに行く手

王手をかけられているのに防がず別の手を指すことと、相手の駒が利いているマスへ自分から玉を動かすことは、どちらも反則です。玉を取られる状態をつくる手は指せない、と覚えておきましょう。

76543五六七八九玉
4筋には相手の飛車が利いているので、玉は4八・4九へ行けない

玉を動かす手だけではありません。自分の玉と相手の飛車・角・香車の間にある駒を動かして、玉までの通り道を開けてしまうのも同じ反則です。

7654321五六七八九角桂玉
4八の桂馬を跳ねると、2六の角の通り道が玉まで開いてしまう。この桂馬は動かせない

ほかの反則

反則どんな手か
二手指し相手の番なのに続けて2回指す
駒の動きの反則その駒が動けない方向や距離へ動かす。成れない場面で成るのも同じ
待った指した手を取り消して指し直す
時間切れ持ち時間を使い切る
連続王手の千日手王手を続けて同じ局面を4回くり返す(千日手と持将棋)

日本将棋連盟の対局規則では、このほかにも先後の誤りや助言を受けることなど、全部で13の反則が定められています。反則をした側は、その時点で負けになります。

反則はいつ負けになるか

反則をした側は、その時点で負けです。お互いに気づかずに何手か進んでしまっても、対局中に見つかれば、反則をした時点にさかのぼって反則負けになります。

対局が終わったあとで見つかった場合も、日本将棋連盟の対局規則では、終わったときの勝ち負けに関係なく反則をした側の負けです。ただし、大会によっては「投了したら、あとで反則が分かっても投了を優先する」という決まりを設けていることがあります。

終局後の反則にも限りがあります。同じ棋戦や大会の次の対局がもう始まっていたら、終わったときの勝ち負けのままです。また、待ったと時間切れは、対局が終わってから指摘しても認められません。

友だち同士で練習するときは、始める前に「反則は指摘して指し直す」などと決めておくのもよい方法です。ただし大会などの正式な対局では、反則はその場で負けになります。

このサイトでは反則の手は指せない

  • 二歩・打ち歩詰め・行き所のない駒・王手放置になる手は、盤が受け付けません。ヒント表示がオンなら、指せない理由が盤の上に出ます
  • 成らないと動けなくなる手は、自動で成ります
  • AIと対局では、「<」で戻して指し直せます。練習のための「待った」で、実際の対局では反則です
  • オンライン対局でも、反則の手はサーバーが受け付けません。持ち時間のある対局では時間切れで負けになります

よくある間違い

  • と金がある筋には歩を打てないと思う。と金は歩として数えないので、同じ筋に歩を打てます
  • 歩を打って王手をかけるのは、すべて反則だと思う。反則になるのは、その歩で詰んでしまうときだけです
  • 盤の歩を進めて詰ませるのも反則だと思う。反則は持ち駒の歩を「打って」詰ませたときだけです
  • 玉の前の駒を何気なく動かして、相手の飛車や角の通り道を開けてしまう。自分の玉が取られる形になる手は指せません
  • 反則に気づかず何手か進んだら、もう反則ではなくなると思う。対局中なら、見つかった時点で負けです

確認問題

  1. 問15三に自分のと金があります。持ち駒の歩を5五に打てますか。

    876543三四五六七八と歩

    ▲先手の持ち駒:歩

    5三に先手のと金、7七に先手の歩

    答え打てます。5筋にあるのはと金だけで、成っていない歩はないので、二歩になりません。

  2. 問21二に歩を打って王手をかけます。この手は打ち歩詰めの反則になりますか。

    4321一二三四王桂銀

    ▲先手の持ち駒:歩

    後手の王が1一、桂馬が2一、銀が2二

    答えなりません。1二の歩を守る駒がないので、王は歩を取れます。詰みではないので、ふつうの王手として指せます。2三に先手の銀があって歩を守っていれば、詰みになるので反則です。

  3. 問3対局の途中で、何手か前に相手が二歩を打っていたことに気づきました。もう何手も進んでいます。どうなりますか。

    答え二歩を打った相手の負けです。気づかずに対局が進んでいても、終わる前に見つかれば、反則をした時点にさかのぼって反則負けになります。

この章のまとめ

  • 二歩:自分の歩がある筋に歩を打てない(と金は数えない)
  • 打ち歩詰め:歩を打って詰ませるのは反則。突いて詰ませるのはよい
  • 行き所のない駒:歩・香車は一段目、桂馬は一・二段目に置けない
  • 王手放置や、自分から取られに行く手も反則

最終更新日:2026年9月28日